紙 芝 居 |
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■ も く じ | ・「発行年」は初版の年度ではなく、図書館で借りるなどして手にした紙芝居に記載されていたものを記しています | ||||
題 名 |
作 者 |
題 名 |
作 者 |
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じごくけんぶつ | 水谷 章三/脚本 藤田 勝治/画 |
ゆめみこぞう | 若林 一郎/脚本 藤田 勝治/画 |
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かっぱのすもう | 渋谷 勲/脚本 梅田 俊作/画 |
けちくらべ | 小野 和子/文 大和田 美鈴/画 |
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だんごひょいひょい | 水谷 章三/脚本 宮本 忠夫/画 |
たのきゅう | 渋谷 勲/脚本 藤田 勝治/画 |
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あたまにかきの木 | 藤田 勝治/脚本・画 | まほうのこなぐすり | 小野 和子/脚色 西村 郁雄/絵 |
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おなべとことこ | 本田 カヨ子/文 前田 康成/画 |
あくびはどんなとき でるのかな? |
山脇 恭/作 くすはら 順子/画 |
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おとうさん | 与田 凖一/作 田畑 精一/画 |
よくばり王さまの ふしぎなかんむり |
小沢 正 夏目 尚吾/画 |
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げたに ばける | 新美 南吉/作 | よわむし王さまととうぞく | 山脇 恭/作 宮本 えつよし/画 |
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きんの だんご | 浅沼 とおる/作・画 | あめだま | 新美 南吉/作 | ||
ぐうたらな王さまと まほうのドングリ |
宮西 達也/作・画 | かわうそと きつね | 堀尾 青史/作 松島 わき子/画 |
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カッパのてがみ | 菊地 ただし/文 中沢 正人/絵 |
わにがめんどりを たべないわけ |
荒木 文子/脚本 小林 ひろみ/絵 |
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ばかされギツネ | 菊地 ただし/文 山口 みねやす/画 |
くまさんまちへ おつかいに |
香山 美子/脚本 長野 ヒデ子/絵 |
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まっくろけのうし | 小野 和子/文 岡村 好文/絵 |
サルとカニのもちつき | 吉田 タキノ/文 くすはら 順子/画 |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | ゆめみこぞう | ▲ | ||||||
□ 脚 本 | 若林 一郎 | ||||||||
□ 画 | 藤田 勝治 | ||||||||
□ 発 行 | 童心社 / 2003年11月 | ||||||||
□ サイズ | 26.8 x 38.6cm・12場面 | ||||||||
夢はお金で買えるのか? と、聞かれたら…… 買えるものか! いやいや、お金で買えないものはない。 ……買えたとしたって買いたくない。 というようなことが、頭の中をグルグルと回るかもしれませんが、この紙芝居の中に出てくる「夢」は、正月の夜に見た「初夢」のことです。 「夢はお金で買えるのか?」と聞かれると、どうしても『未来に関して思い描く理想的な事柄』といった「夢」の方を思い浮かべてしまいます。 そこで誤解のないように「夢」を区別したのですが……本当はどちらでもいいのです。 だって「ゆめみこぞう」は、どんなに大金を積まれても「夢」を売ることなく、見た「夢」を、そのまま実現させてしまった「こぞう」の話なのですから。 どっちにしたって、お金などに惑わされることなく、「夢」を現実にしようという強固な意思があるかどうかということが問われるのです。 そんな意思があるかどうかは、ちょいとだけ横の方に置いておいてください。 私もそうします それよりも、大金に見向きもしないで実現させたかった「夢」とは、どのようなものだったのでしょうか? この点を紙芝居でもう一度確認すると…… そうだよな、そうなんだよな〜…… こんな「夢」を実現させようとする気持ちを…… 叶うと信じる気持ちを…… 持たなきゃいけないな〜…… ということになって、自分の「夢」を考え直すことになるかもしれません…… そうしたら、その時です。 ちょいと横の方に置いておいた問いを、しっかりと自分の正面に持ってきましょうね。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | じごくけんぶつ | ▲ | ||||||
□ 監 修 | 松谷 みよ子 | ||||||||
□ 脚 本 | 水谷 章三 | ||||||||
□ 画 | 藤田 勝治 | ||||||||
□ 発 行 | 童心社 / 1984年9月 | ||||||||
□ サイズ | 26.6 x 38.2cm・16場面 | ||||||||
解説によりますと、「『閻魔の失敗』という名称で呼ばれている一群の笑い話」であり「東北から九州までの日本本土全域に分布」しているお話だそうです。 そんなわけで私達は、同じようなお話をいろいろな形で見聞きしています。 その中の一つ「じごくのそうべい」は、このお話の絵本版です。 もしかしたら誤解していた人がいるかもしれませんが、関西方面だけに伝わるお話ではないのです。 絵本「じごくのそうべえ」の関西弁は、とても印象的ですからね。 ところで、花が咲き、空気がぬるみ、浮き立つ気分になる季節に、「何で地獄を見物しなくちゃいけないんだ!」と思っている人はいませんか? けれども進学、進級、就職……結婚??? の季節だからこそ、地獄見物なのです。 主人公は、なまけ者の軽業師、歯抜き師、山伏の三人です。 この三人が地獄に落とされるのですが、タイトルの「けんぶつ」という言葉通りに、なんなく地獄からこの世に帰ってきます。 そして、軽業師が言うのです。 「じごくったって たいしたことは ねえなあ」 恐い場所の象徴であるはずの「地獄」が、お花見をするための公園のように思えてきます。 勇気が出てきます。 新たな見知らぬ世界に旅立つ人に、大きな力を与えてくれるはずです。 しかしその後に、歯抜き師が言います。 「まったくじゃ。いきとるうちのほうが よっぽど じごくじゃ」 いいですね! いろいろと考えちゃいます。 地獄を笑い飛ばすことができるなら何でもできる! というような前向きな気持ちになった上で、今後の新生活に挑んでいく覚悟を迫られる。 ……なんていうことも考えられます。 でも、地獄から生還した三人のように、簡単に地獄を切り抜けていくための方法はあるのでしょうか? それは、「じごくけんぶつ」を見れば分かるかもしれませんよ。 いろいろと演じることのできる楽しい紙芝居です。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | けちくらべ | ▲ | ||||||
□ 文 | 小野 和子 | ||||||||
□ 画 | 大和田 美鈴 | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 1997年4月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 4876925321 | ||||||||
「けち」は、時と場合によって美徳に変わります。 でも、そんなタイミングでないときや、的を外していたりすると、嫌味になったり、うっとうしがられたりします。 でもでも、そんな状況を超えた「けち」は、ちょいと離れたところから見ているならば、笑いを生み出すようです。 「けちくらべ」は、落語が題材になった紙芝居です。 そんなものだから、よみっこすれば、簡単にみなさんが喜んでくれると思ったら大間違いです。 読み手は、「けち」に対してどんな考えを持っているのか? それぞれが、はっきりさせておかなくてはなりません。 (ほんとうは、どんな紙芝居でも絵本でもそうなんですけどね) 私の場合、生活のために実践的でない「けち」関しては、異様に攻撃的になります。 「けちを、けちを、バカにするな〜〜〜!」 ……怒りを込めたハイテンション!? みなさんは熱くならないで、楽しい紙芝居なので、みんなと楽しく よみっこしましょうね。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | かっぱのすもう | ▲ | ||||||
□ 脚 本 | 渋谷 勲 | ||||||||
□ 画 | 梅田 俊作 | ||||||||
□ 発 行 | 童心社 / 1984年9月 | ||||||||
□ サイズ | 26.5 x 38cm・12場面 | ||||||||
□ ISBN | 4494077704 | ||||||||
「かっぱ」とは、なんぞや? これが、なんとも答えるのが難しいのです。 頭にお皿があったり、背中に甲羅があったり、皮膚は青白かったり緑色だったり、鱗があったりなかったり、きゅうりが好物だったり…… このようなところは、姿かたちなどのことですから問題ありません。 けれども、子どもや馬を水中に引き込む悪いヤツだったり……とっても義理堅い良いヤツだったり……愛嬌のある人気者だったり……人をたたる嫌われ者だったり…… どっちなんだー! けっきょく、「かっぱ」って訳がわかんな〜い! なんてことになってしまいます。 これは、いろいろな土地にいろいろな「かっぱ」がいて、いろいろな話が伝わっているためです。 でも、それだけでなく、「かっぱ」は、ちょいと屈折しているところがあるからだと思うのです。 なぜならば、「かっぱ」は、水の神が零落した姿だと言われているからです。 「零落」とは、「以前の身分や財産を失いみじめなありさまになること」だそうです。 以前から「かっぱ」には、物悲しさがただような〜 と、感じていたのは、このためかもしれません。 それなのにもかかわらず、「かっぱのすもう」なのですが……おもしろいです! 図書館も児童館も小学校も老人ホームも、いずれでも楽しくよみっこすることができました。 なんてったって「かっぱのすもう」は、童心社の民話紙芝居の中にある「わらいがいっぱい」シリーズに入っているのですから。 登場する「かっぱ」のキャラクターも、不思議なかわいらしさを出していて、とてもいいです。 思い込みがあるからかもしれませんが、よくよく見ると、そのかわいらしさの奥には、やっぱり恐さと物悲しさがひそんでいるような気がするのです。 みなさんは、どう感じるのでしょうか。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | たのきゅう | ▲ | ||||||
□ 脚 本 | 渋谷 勲 | ||||||||
□ 画 | 藤田 勝治 | ||||||||
□ 発 行 | 童心社 / 1982年9月 | ||||||||
□ サイズ | 26.5 x 38cm・16場面 | ||||||||
□ ISBN | 4494077518 | ||||||||
最初に、タイトルの「たのきゅう」とは何なのだろうと興味をひかれました。 でも、すぐにわかりました。 オープニングの「むかし、むかし」のすぐ後に、「ある ところに たのきゅうと いう、おかしな なまえの たびやくしゃが おった」と書かれていたからです。 (な〜んだ。ただの名前か〜)と思っていましたら、この名前が、物語の展開に大きな役割をはたすことになったのです。 ちょいと秘密を明かしてしまいますと、「たのきゅう−たのきゅ−たのき−たぬき−タヌキ−狸」ということになります。 「たのきゅう」は「狸」と、とっても間違いやすい名前でした。 ですから名前は、どうしても「たのきゅう」でなくてはいけません。 「それだったら、タノキン(古っ!)でも、タナキュウでも、タニキュウでも、なんでもよかったんじゃないの?」という声も聞こえてきそうですが、ダメなようです。 この「たのきゅう」は、落語にもなっている話で、落語絵本で有名な川端誠さんが、絵本にしている話でもあります。 こちらを見てみると、この旅役者は、田能村の久平さんということで、「たのきゅう」と呼ばれているということでした。 落語ではこうなっていますが、「たのきゅう」は、日本の各地に伝わる昔話です。 ところによっては、芝居上手の田野久蔵であったり、富山の薬売りの田の久だったりしているようです。 ちょいと紙芝居の紹介から、わき道にそれてしまいました。 でも、内容を変化させながら、日本各地に広まった昔話が、おもしろくないはずはありませんよね! □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() ●題 名:たのきゅう (落語絵本) 作:川端 誠 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | だんごひょいひょい | ▲ | ||||||
□ 脚 本 | 水谷 章三 | ||||||||
□ 画 | 宮本 忠夫 | ||||||||
□ 発 行 | 童心社 / 1989年9月 | ||||||||
□ サイズ | 26.5 x 38cm・12場面 | ||||||||
□ ISBN | 449407473X | ||||||||
最近、物忘れがひどくなってきました。 体の衰えは、もうずいぶんと前から感じていました。 でも、そんなことを嘆いている場合ではないのです。 物忘れがひどくなろうが、体力が落ちてこようが、やることは目の前にたくさんあるのですから。 そんなもんだから、無駄に体力を使わないような動きをしたり、何かを忘れたとしても問題にならないように、こまめにメモを残したりということをするのです。 この「だんごひょいひょい」に登場する「むこさん」も、そうとうに物忘れの激しい人です。 とにかく「いま いった ことでも すぐに わすれるというくらいの わすれんぼでした」と書いてあるのですから。 この「むこさん」が、家の外で初めて「だんご」食べるのです。 あまりにも、おいしかったので、家に帰ったら「よめさん」に作ってもらおうと思います。 でも、物忘れの激しい「むこさん」です。 「だんご」という名前を、家に帰るまで覚えているなんてことは、至難のわざです。 それでも、食べたいという欲望というものはすごいもので、いいアイディアを思いつくのです。 「むこさん」は、「だんご、だんご、だんご」と、大声で叫びながら家に帰って行きます…… ここで突然に、私の物忘れの話に戻ります! 何かを忘れた時のために残しておくメモのことです。 その何かを本当に忘れてしまった時に、書き残されたメモを読みます。 でも、そのメモの内容が、なんだかよく分からないことがあるのです。 なんだか悲しいですね。(自分が!) そして、なぜか腹が立ってきます。(自分に!) そのメモを破り捨ててしまおうと思います。 でも、思いとどまります。 しばらくすれば思い出すのではないかと思って、メモを見つめ直します。 すると、その意味をなさないメモが、なぜかちょいと、いとおしくなってくることがあります…… ところで、「だんごひょいひょい」です! 「むこさん」は、「よめさん」に、だんごを作ってもらうことができたのでしょうか? それよりも「ひょいひょい」って、なんなんでしょうね? 思わぬ結末が待っています。 おもしろいですよ〜! □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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□ 題 名 | まほうのこなぐすり | ▲ | ||||||
□ 脚 色 | 小野 和子 | ||||||||
□ 絵 | 西村 郁雄 | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 1995年7月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 487692712X | ||||||||
物語は、とてもオーソドックスな展開の昔話です。 でもこれが、いいのです。王道です。 安心して、お話を楽しむことが出来ます。 正直な働き者の豆吉どんが、魔法のこな薬を手に入れます。 でもそれを、楽なことばかりしている怠け者の佐助どんに横取りされます。 ……もう必要ないでしょう! おそらく、これだけで物語の概要は、わかってしまったのではないでしょうか。 でも一つだけ、とっても気に入ったところを紹介しておきます。 最後の12画面です。 豆吉どんは、かわいいお嫁さんのひざ枕で、耳かきなんぞをしてもらっています。 とても幸せそうです。 これはこれで、話の結末としていいのです。 でも、気に入ったのは、同じ画面の中の佐助どんと、ばあさまです。 佐助どんは、涙を流しながら、豆吉どんとお嫁さんを、うらやましそうに見ています。 そして佐助どんの背中には、なぜか、いっしょに暮らすことになった、ばあさまがおぶさっているのです。 この、ばあさまの顔が、なんとも幸せそうなのです。 脚本には、佐助どんは「なきべそを かきながら、ばあさまといっしょに なかよく くらしたそうな」と、書かれています。 じいさまや、ばあさまの幸せそうな顔は、なんだかホッとしていいです。 □ 「まほうのこなぐすり」は、図書館などでおさがしください □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | あたまにかきの木 | ▲ | ||||||
□ 脚本・画 | 藤田 勝治 | ||||||||
□ 発 行 | 童心社 / 1999年10月 | ||||||||
□ サイズ | 26.5 x 38cm・12場面 | ||||||||
□ ISBN | 4494088137 | ||||||||
主人公で登場する若い男は、「今」話題の「ニート」です。 でも、その男の頭には、ちょこんと、ちょんまげがのっていますから、「今」ではなく、だいぶ昔の話です。 そして「ニート」とは、イギリスで生まれた言葉です。 意味は、学校を卒業しているのに仕事に就かず、職業訓練をすることも就職活動もしていない人のことです。 近年、フリーターと共にニートも年々増加しており、社会問題になっています。 だからと言って、問題解決の糸口を見つけようなどと思って、眉間にシワを寄せて、両肩に力を入れて、こぶしを握りしめて、紙芝居に見入る必要はありません。 どうせ、そんなふうに身構えていたとしても、画面が次々と引き抜かれていくにつれて、体から力が抜けて大笑いしてしまうはずだからです。 なんてったって主人公の頭のてっぺんから、柿の木がはえてくるのですから! 「なんで!?」って思いますよね。 そして、「頭に柿の木がはえた後は、どうなるの?」って思いますよね。 内容は、紙芝居を見て楽しんでくださいね…… ただ最後は、「ほんに はたらくのは きもちの いいもんだ。おら しあわせだなあ」という男のセリフで、紙芝居は終わるのです。 いいですね〜 でも、これで終わりではありません。 この後、私たちは、「どうすれば、こんな気持ちになれるのだろうか?」ということを考えることになります。 だって私たちの頭には、柿の木ははえてきませんもんね。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | あくびはどんなときでるのかな? | ▲ | ||||||
□ 作 | 山脇 恭 | ||||||||
□ 画 | くすはら 順子 | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 2001年9月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 4774602329 | ||||||||
「あくびをかみころす」と言います。 でも、出かかったあくびは、歯を食いしばろうが、息を止めようが、ほっぺたをつねろうが、出るものは出ます。 なんとか大きな口を開けなかったとしても、あくびは口の隙間を見つけて漏れてきます。それに、鼻の頭が赤くなったり、目尻に涙が浮かんだりしてしまいます。 もし、あくびをしないようにするならば、出そうになる前に、深呼吸などで頭と体の中をすっきりさせるしかありません。 それでも、出てしまうときは出ますけれどもね。 ここまでは、余談です。失礼しました。 そんなあくびが、タイトル通りに、どんな時にでるのか物語の中で紹介しているのが、この紙芝居です。 子どもたちは、「うんち」を始めとして生理的なことが大好きです。 そこで、この紙芝居を演じてみようと思いました。 それで練習を始めたのですが、おもしろいことが起こりました。 紙芝居のあくびの所で、ほんとうのあくびをしてしまうのです。 「これは、おもしろい」と思いました。 そして、もしかしたら聞いている人たちの中にも、あくびをする人がいるかもしれないと思いました。 今まで2度演じましたが、緊張しているせいか、読んでいる時にあくびをすることはありませんでした。 でも聞いている人は、何人かあくびをしていましたよ。 一度は、「あくびをした方が負けだよ」と言って読み始めたのに、あくびをしていた子もいました。「してない! してない!」と言っていましたけどね。 ぜひ、試してみてください。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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□ 題 名 | おなべとことこ | ▲ | ||||||
□ 文 | 本田 カヨ子 | ||||||||
□ 画 | 前田 康成 | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 1999年8月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 4876926964 | ||||||||
ロシアの民話が基になっている紙芝居です。 「むかーし むかし 小さな山の ふもとに、ばあさまが、ひとりぼっちで くらして おりました」 これが、紙芝居の始まりです。この「むかーし むかし」は、黄門様の印籠のように魅力的です。 これから始まるぞという期待感だけでなく、なんだか安らぎを感じます。 「おなべとことこ」の場合、この安らぎ感が最後まで続きます。 ばあさまは、一人ぼっちということだけでなく貧乏です。米だって底をついてしまって、おかゆを作ることだってできなくなっています。 でも、ばあさまは、自分の境遇を嘆くことも、恨み言をいうことも、眉間にシワを寄せてけわしい顔をすることもありません。 おだやかな顔をしたままで、毎日活躍しているおなべを磨きます。そして、「おかゆをつくろうにも こめが ない。すまんが、しばらく おやすみじゃ」なんてことを言うのです。 泣けます。こんな、ばあさまが不幸になるはずはありません。 あってはいけないのです。絶対に! そうです。ここで活躍を開始するのが、ばあさまに抱きかかえられてピカピカに磨かれているおなべです。 期待通りに、おなべのおかげで、ばあさまは幸せになります。ほんとうに期待通りであって、女王様になるなどといった期待以上のことはありません。あってはいけません。ばあさまは、望んでいないと思うし、似合わないと思います。 苦しい時におだやかな顔で、おなべに「すまん」と話しかけられる、ばあさまの幸せとは、いったい何だったのでしょうね。 老人ホームで、よみっこをした時、演じ終わった後に、おばあちゃんの一人が「いいお話だね〜」と言っていたのが印象的でした。 □ 「おなべとことこ」は、図書館などでおさがしください □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | よくばり王さまのふしぎなかんむり | ▲ | ||||||
□ 作 | 小沢 正 | ||||||||
□ 画 | 夏目 尚吾 | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 1995年1月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 4876928649 | ||||||||
幸運は、けっこういろいろな所に転がっているものなのかもしれません。 でも、それを見つけて拾い上げることは、誰でもができることではありません。このようなことは、多くの人が知っています。簡単じゃないから、みんながんばっているんですよね。 でもときどき、なにげなく買った宝くじで一等賞を当ててしまうようにして、幸運を手に入れてしまう人もいるものです。 この絵本に登場する木こりも、その一人でした。 木こりは、とつぜん王様になって、城に住んで、たくさんの宝物を手にするのです。 でも、幸運を持ち続けることも、簡単なことじゃないんですよね。 こういった教訓は、いろいろなお話を読んだりしてわかっているのですが、未熟者の私は自分がその立場にたった時のことを考えてしまいます。 あんなことは、絶対にしない! ああやって、こうやって、そしてこうすれば、手に入れた地位や宝を持ち続けられるはずだ、なんてことに思いを巡らすのです。 こんなとき、ふっと我に返ると悲しくなります。 「まだ何も手に入れてないじゃないか〜!」 そして、この悲しさによって、こういった物語のほんとうの教訓を知ることになります。 そしてそして、「ちゃんと、ほんとうの幸せをさがさなくっちゃ」なんてことを静かに思うのです。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | おとうさん | ▲ | ||||||
□ 作 | 与田 凖一 | ||||||||
□ 画 | 田畑 精一 | ||||||||
□ 発 行 | 童心社 / 1998年6月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 38.2cm・12場面 | ||||||||
□ ISBN | 4494075957 | ||||||||
スマトラの民話が基になっている紙芝居です。 スマトラは、約13,500の島々からなるインドネシア国内の西方に位置する島です。 マレー半島と、その西隣にまで伸びているスマトラ島との間は、マラッカ海峡と呼ばれていて、現在でも海賊が出没している場所です。 インドネシアには、子どものころから名前を聞いただけでワクワクするような地名がいくつもあります。 スマトラもその一つですが、カリマンタン(ボルネオ:英語名)、ニューギニア(島の名前。西側がインドネシア領イリアンジャヤ、東側がパプアニューギニア)、トラジャ、ジャワ、バリ……などなどです。 ジャングルです。熱帯雨林です。乾いた砂漠地帯と違って、動物や植物などの生き物が、そこかしこを埋め尽くしています。 こんな場所には、何がいてもおかしくありません。 ジャングルの中には闇もあります。そこには、日本と同じように八百万(やおよろず)の神もいれば、もののけや妖怪だっているのかもしれません。 でも、このなんでもいるという感じは悪くありません。砂漠や都会ではあまり得ることのない感覚です。 例え湿気や暑さに嫌気がさしても、生き物たちに囲まれていることで、気持ちのどこかに、かすかな安心感が残ります。 前書きが、とても長くなりましたが、そんなインドネシアのスマトラ島に伝わる話です。そして、紹介したような異国の雰囲気が、とてもよく感じられる紙芝居なのです。 内容も少しだけ紹介しておきます。 マンガラン・グリーン・べクーという魔物が登場します。このヘンテコリンな名前を聞いただけで引き込まれます。 この魔物が、人間のお父さんになってみたいと考えました。そこで、ある親子のお父さんそっくりに化けて、子どもを連れ去ってしまいます。さてさて、親子の運命はいかに!? □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | よわむし王さまととうぞく | ▲ | ||||||
□ 作 | 山脇 恭 | ||||||||
□ 画 | 宮本 えつよし | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 1989年10月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 4876928630 | ||||||||
ビクビク国の王様は、弱虫なのに、みんなから好かれています。 なぜなのでしょうか。それは、「とっても こころの やさしい 王さまだから」だそうです。 でも一国を治めるためには、やさしさだけで十分なのでしょうか。やさしさだけで、女は男を好きになるのか。男は女を好きになるのか。どうなんだ〜!? というようなことを考えると、紙芝居の最後に王様は、弱虫じゃなくなっているのだろうという予想をしてしまいます。 でも王様は、ラストの画面でも、笑いながらですけれども涙を流しています。それでもビクビク国の人たちは、王様をたたえて満面の笑みを浮かべているのです。 これでいいのだろうかと思うかもしれません。 でも、いいんです。 やさしさは大切だ。泣き虫だっていいじゃないか。泣き虫だって、人の信頼を勝ち取ることはできるのだー! これでいいのです。 でも大切なのは、王様は最後まで泣き虫ではあったけれども、弱虫ではなくなっているのではないかと思われるところです。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | げたに ばける | ▲ | ||||||
□ 作 | 新美 南吉 | ||||||||
□ 脚 色 | わしお としこ | ||||||||
□ 絵 | 中沢 正人 | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 2003年9月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 4774603201 | ||||||||
いたずらは楽しいものです。 やる方はもちろんのこと、やられる方だって楽しくなることが多いのではないでしょうか。 でも、やられる方も楽しくなるためには、やる方の熟練したテクニックが必要です。 いたずらをする腕がなければ、こっぴどく怒られるということになります。 やる方は、怒られるのも計算ずくで楽しんでいる時もありますから、それはそれでテクニックを持っているということになります。けれども時には、やられる方を深く傷つけてしまうこともあります。こんなことにならないようにするところが、いたずらをするための熟練のテクニックなのかもしれません。 さてさて、それで「げたに ばける」です。 登場するのは、タヌキの親子です。ここでちょいと、題名とキャスティングを見ますと、いたずらをするのは、このタヌキではないかと考えてしまいます。 でも違います。いたずらをするのは、物語の中盤から登場する「さむらい」です。そしていたずらをされるのがタヌキです。それも子ダヌキの方です。 さて、どんないたずらをされるのでしょうね。 とにかく、粋なお侍さんなんです。 「にくいね、大将!」という感じでしょうか。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | あめだま | ▲ | ||||||
□ 作 | 新美 南吉 | ||||||||
□ 脚 色 | 東川 洋子 | ||||||||
□ 絵 | 野村 たかあき | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 2003年9月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 4774603198 | ||||||||
教育画劇から「おさむらいさんのはなし紙芝居」として出された6つの紙芝居の中の1つです。 ぽかぽかとあたたかい春の日です。 渡し舟の船着場にも、の〜んびりとした雰囲気が漂います。まるで、ないでいる瀬戸内海に小船を浮かべて琴の名曲「春の海」でも聞いているよう気分になってきます。 でも、これだけ気持ちのいい状態は、紙芝居の中で長く続くはずがありません。こんな気持ちの良さは、どんでん返しのための伏線でしかないはずです。 あんのじょう現れました。春ののんびり状態を打ち破って緊張の糸が張り巡らされます。その正体は、恐くて危険なおさむらいさんでした。 でもなのです。おさむらいさんは、悪人じゃなかったのです。 おさむらいさんは恐くて危険だというのは、同じ渡し舟に乗り合わせたお客さんたちが、勝手に心の中でふくらませていったイメージでしかなかったのですね。 おさむらいさんは、いけないことなんて何一つしていないのですから。 ラストには、ふたたび「春の海」が聞こえてきそうなの〜んびりとした雰囲気が戻ります。 この静けさに至る展開が、あざやかなのです。かっこいいのです。気持ちいいのです。 この展開について、とっても書きたいのですが書きません! ぜひ図書館などで借りてきて、よみっこしてみてくださいね。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | きんの だんご | ▲ | ||||||
□ 作・画 | 浅沼 とおる | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 2003年9月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 477460321X | ||||||||
オナラが原因で、お殿様にお城から追い出された奥様が、子どもの活躍によって、よりを戻すという話です。 最初は、夫婦の別れの原因がオナラがになっていることに加えて、絵の雰囲気もヘタウマ調でとぼけた感じがあって、大笑いする紙芝居なのかなと思いました。 でも違うのです。泣きます。落語や歌舞伎の人情物といった感じです。 子どもが、いい味出しています。 また、セリフは一つもないのですが、多くの画面に書き込まれているサルもいいです。 明るくさらっと演じるか、または、泣かせる部分をくさいくらいに強調してみてもおもしろいと思います。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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□ 題 名 | かわうそと きつね | ▲ | ||||||
□ 作 | 堀尾 青史 | ||||||||
□ 画 | 松島 わき子 | ||||||||
□ 解 説 | 松本 新八郎 | ||||||||
□ 発 行 | 童心社 / 1969年 | ||||||||
□ サイズ | 26.5 x 38.2cm・12場面 | ||||||||
この紙芝居は、日本の昔話を題材にしていますが、解説には「このお話は“しっぽの釣”と呼ばれ、北欧からシベリア、日本にかけて多く、南米のインディアンにまでひろがっています」と書かれています。 このような文章を読むと、ワクワクしてきます。 昔話というと、それぞれの土地の中で語り継がれてきた話というイメージがあります。けれども話の中には、風のように他所からやってきて、いつのまにか根付いて、風のように他の土地に伝わっていく話も数多くあります。 各地に話が広がるために、どのくらいの時間がかかっているのでしょうか。そういった話は、どのようにして海を渡っていったのでしょうか。 こんなことを想像するだけで、楽しくなってきますね。 もちろん紙芝居の内容も、とても楽しいものです。 ずるがしこいキツネと、正直者のカワウソの話です。最後にキツネは、しっぺ返しを食らうことになります。 キツネは、カワウソに「魚を獲るためには川に尻尾をつけておけばいい」と教えられます。欲張りなキツネは、夜がふけても、尻尾を川に入れ続けます。そして、とうとう川に氷がはって、尻尾が抜けなくなってしまうのです。 キツネのように人をだましちゃいけないよな〜と思いつつ、氷がはって抜けなくなるまで川に尻尾を入れ続けるなんて半端じゃないな〜、なんてことも思ってしまいました。 □ 「かわうそと きつね」は、図書館などでおさがしください □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | ぐうたらな王さまとまほうのドングリ | ▲ | ||||||
□ 作・画 | 宮西 達也 | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 1989年10月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 4876928665 | ||||||||
まさに、ぐうたらな王様なのです。外出するのも、洋服を着るのも、何をやるのも「めんどうくさい」のですから。 そんな王様が、一つの国をつかさどることなんてできるはずがありません。ですから王様は、王という位から外れる運命にあるのは間違いがありません。「ぐうたらな王さまとまほうのドングリ」でも、そうした展開になってます。それは当然のことで、納得がいきます。 でも、「おっ!」と思うシーンが最後に待っています。普通の物語であれば、悪い王様が新しい王様に追い出されて、めでたしめでたしというパターンが多いと思うのですが、この紙芝居のラストの1枚は、王の座を追われた元王様の、その後の紹介で終わります。 王ではなくなった王様は、どうなっているのでしょうか? なんと、なにも変わっていないのです。元の王様は、ぐうたらなままです。それも、魔法のドングリのためにネコの姿になって、「わしは、ネコに むいとる」「ぐうたらは、さいこう さいこう」と、のたまうのです。いろいろと考えさせられます。 小学校4年生のクラスと児童館でよみっこをしたのですが、最後は、いずれも静かになって終わりました。 「ぐうたらは、よくないんだぞ〜」ということで終わっていないので、やっぱりみんなも、いろいろと考えていたのではないかと思うのです。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | わにがめんどりをたべないわけ | ▲ | ||||||
□ 脚 本 | 荒木 文子 | ||||||||
□ 絵 | 小林 ひろみ | ||||||||
□ 発 行 | 童心社 / 2003年1月 | ||||||||
□ サイズ | 26.5 x 38.2cm・12場面 | ||||||||
□ ISBN | 4494088781 | ||||||||
アフリカの民話が基になっている話です。 突然ですが、ワニは、ニワトリを食べます! そして、ニワトリは、ワニを食べません。どうでもいいことですが、私はワニもニワトリも食べたことがあります。 現在、地球上に生息するワニは、すべて肉食ですから、アフリカにいるワニがニワトリを食べないなんてことはありません。 でも「わにがめんどりをたべないわけ」に登場するワニは、ニワトリを食べられなくなってしまうのです。 ワニがメンドリを食べようとすると、メンドリが言うのです。「そんな おにいさん。わたしの おにいさん。どうぞ、わたしを たべないで!」と。 な〜んで、ワニがメンドリの「おにいさん」なのでしょうか? そうなんです。ワニも、やっぱり悩んでしまうのです…… これは、悲しい物語ではありません。かといって「ワニって、ばかだな〜」なんてことも、ぜんぜん思いません。 「よかった、よかった、ほ〜んとに、よかったな〜」なんて思って、たくさん笑える紙芝居なのです。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | カッパのてがみ | ▲ | ||||||
□ 文 | 菊地 ただし | ||||||||
□ 絵 | 中沢 正人 | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 1992年8月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 4876927383 | ||||||||
日本の民話が基になっている紙芝居で、「アカアカぬま」と「アオアオぬま」に住む「ばけものカッパ」が、「むらのむすめさん」と「たびのぼうさま」に一杯食わされるという話です。 とぼけている感じがたまらなくいいのです。登場するカッパも、むすめさんも、ぼうさまも、とっても大きな目をして、とぼけた顔をしています。地の文章だって、「こっちの むらの むすめさんが、あっちの むらへ ようじができて」なんて書いてあります。「こっち」だとか「あっち」だなんて、絶対にとぼけています。 でも画面の中で、とぼけた人達は、いっしょうけんめいに驚いたり、考えたり、喜んだり、怒ったりしています。そんな雰囲気が、大好きです。 よく「くさいよ!」なんてことを言いますが、いっしょうけんめいにやっている「くささ」は笑えますし感動します。 よみっこした時は、そんなおもしろさを活かせればいいなと思いました。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | くまさんまちへおつかいに | ▲ | ||||||
□ 脚本 | 香山 美子 | ||||||||
□ 絵 | 長野 ヒデ子 | ||||||||
□ 発 行 | 童心社 / 2002年4月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 38.2cm・12場面 | ||||||||
□ ISBN | 4494088633 | ||||||||
人にものを頼まれたら、嫌とは言えない○○な人。 同じ、何でも引き受けてしまう人でも、いろんな人がいます。頼れる人もいれば、優しい人もいれば、人に好かれる人もいれば、いてはいけないのですが利用されてしまう人、などなど。 でも基本的には、いい人ですよね。 ここに登場する「くまさん」も、やっぱり、いい「くまさん」です。友達から頼まれたおつかいを、ポンポンと何でも引き受けてしまうのですから。 でも、大きい体で、力持ちで、優しい「くまさん」にとっては、何の問題もないのです。それどころか、けっこう楽しそうな顔をして買い物をしています。 それで、くまさんは、○○だったようですよ!? なんだかリズミカルで、全編が一つの歌のように感じる紙芝居です。 また、長野さんの描く「くまさん」が、いいのです。迫力かわいい……ハクカワといった感じです。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | ばかされギツネ | ▲ | ||||||
□ 文 | 菊地 ただし | ||||||||
□ 画 | 山口 みねやす | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 2002年5月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 4774602620 | ||||||||
この物語の原典は「王子のキツネ」といって、落語にもなっている東京の昔話です。 やっぱり昔から人間というのは変わっていないんだな〜、なんてことを思ってしまうお話です。 キツネは、昔話などの中で、人をだまして、ずるがしこいというキャラクターを与えられています。でも、「ばかされギツネ」の中の母親ギツネは、人間のくまごろうさんに、まんまとだまされてしまうのです。 あげくの果てに、人間に、ほうきで力いっぱい叩かれて逃げ帰ってきます。 ふとん中で横たわっているキツネの姿は、痛々しいです。包帯だらけなのですから。枕元には、「いたみどめ」と書かれた薬まで置いてあります。 この母親ギツネが、子ギツネに「にんげんは キツネより だますのがうまいからね」と言うのです。このセリフを読んでも、何の反発も何の抵抗もする気になりません。ただ、「うん、うん」とうなずきながら、受け入れてしまいます。 悲しいことですけどね。 てなことを書いてしまいましたけど、「ばかされギツネ」は、悲しくなんてなりません。とても、とても楽しい紙芝居です。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | サルとカニのもちつき | ▲ | ||||||
□ 文 | 吉田 タキノ | ||||||||
□ 画 | くすはら 順子 | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 2002年5月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 4774602663 | ||||||||
「さるかにかっせん」という昔話がありますが、それとは違います。 でもやっぱり、キャラクターというものは、なかなか変えられないものがありまして、オスのサルがメスのカニを出し抜こうとする話です。 昔話なのですが、私は、サルとカニの関係が今風だなと感じました。 メスのカニが、強いのです。カニは、誰の力も借りないで、1人でサルに対します。怒っているカニの顔なんて、恐くて正視できません。 結末は、男と女の関係なんてことと、まったく違うことで終わります。でも私は、強いメスのカニと情けないオスのサル、というところも楽しみたいなと思いました。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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Amazon.co.jp | □ 題 名 | まっくろけのうし | ▲ | ||||||
□ 文 | 小野 和子 | ||||||||
□ 画 | 岡村 好文 | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 2002年5月 | ||||||||
□ サイズ | 26.7 x 37.7cm・12画面 | ||||||||
□ ISBN | 4774602612 | ||||||||
気持ちがすっきりするような、とんち話です。 えらそうなヤツは、嫌ですよね。 いるんです。そういうヤツがたくさん。昔話の中にはです。 「まっくろけのうし」にも2人出てきます。2人とも画家なのですが、この2人に見下され、さげすまれるのが、我らのヒーロー、お百姓の「たい作さん」です。いいですね〜、この名前。ほれぼれします。 当然私は、たい作さんに肩入れします。徹底的に、たい作さんをかっこよくして、2人の画家をコテンコテンにやっつけてやるのです。 かっこよさを引き立たせるために、最初だけ、たい作さんには、少し情けなくなってもらいました。 そして最後は、2人の画家以外は、みんなですっきりとした気持ちになろうと思って演じました。 □ Amazon.co.jp へのリンク ![]() □ |
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