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紙芝居

Amazon.co.jp  題 名 おなべとことこ
  本田 カヨ子
  前田 康成
 発 行 教育画劇 / 1999年8月
 サイズ 26.7 x 37.7cm・12画面

 ロシアの民話が基になっている紙芝居です。
 「むかーし むかし 小さな山の ふもとに、ばあさまが、ひとりぼっちで くらして おりました」
 これが、紙芝居の始まりです。
 この「むかーし むかし」は、黄門様の印籠のように魅力的です。
 これから始まるぞという期待感だけでなく、なんだか安らぎを感じます。
 「おなべとことこ」の場合、この安らぎ感が最後まで続くのです。

 ばあさまは、一人ぼっちということだけでなく貧乏です。
 米だって底をついてしまって、おかゆを作ることもできなくなっています。
 でも、ばあさまは、自分の境遇を嘆くことも、恨み言をいうことも、眉間にシワを寄せてけわしい顔をすることもありません。
 おだやかな顔をしたままで、毎日活躍しているおなべを磨きます。
 そして……
 「おかゆをつくろうにも こめが ない。すまんが、しばらく おやすみじゃ」
 なんてことを言うのです。

 泣けます……こんな、ばあさまが不幸になるはずはありません。
 あってはいけないのです。絶対に!

 そうです。ここで活躍を開始するのが、ばあさまに抱きかかえられてピカピカに磨かれているおなべです。
 期待通りに、おなべのおかげで、ばあさまは幸せになります。
 ほんとうに期待通りであって、女王様になるなどといった期待以上のことはありません。
 あってはいけません。
 そんなことをばあさまは、望んでいないと思うし、似合わないと思います。

 苦しい時におだやかな顔で、おなべに「すまん」と話しかけられる、ばあさまの幸せとは、いったい何だったのでしょうね。

 老人ホームで、よみっこをした時、演じ終わった後に、おばあちゃんの一人が「いいお話だね〜」と言っていたのが印象的でした。

 

題名:おなべとことこ

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