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絵本

 題名 おひさん
  たかべ せいいち
 発行 くもん出版 / 2012年2月
 サイズ 27 x 22cm・32ページ
 「おひさん」の顔がいい!

 表紙には……

 「なんか文句あっか!?」

 ……という感じで、有無を言わせぬような迫力のある顔が描かれている。

 「おひさま」に感じるようなさわやかさは、まったくない。
 人によっては、グロテスクな感じを受けてしまうかもしれない。

 だから「おひさん」なのだろう……?

 舞台となる村の人たちの大半は、着物を着ている。
 スーツを着ているのは、頭がツルツルの村長さんただ一人だ。

 そんな村に「おひさん」がやってくるのだけれども……

 真っ赤なスーツに、真っ赤な蝶ネクタイをして、真っ赤な中折れ帽?(「おひさん」だけにカンカン帽かもしれない……?)をかぶっている。

 なかなかおしゃれだ。

 真っ白いワイシャツと、真っ黒い革靴も見逃せない。

 地上に降りてきたからといって「おひさん」は「おひさん」だ。
 人間ではないのだから、顔は真っ赤で真ん丸だ。

 初めて知ったのだけれども……

 「おひさん」が燃えて輝くのは、顔だけのようだ。
 「おひさん」の手は、日本人と同じ肌色をしているのだから。

 ……ここで、ちょいと思った。

 普段の「おひさん」は、どんな格好をしているのだろう?

 きっと「おひさん」は、地上の人々に失礼のないように一番のおしゃれをしてきたに違いない。
 現に「おひさん」は、村の端に連なる山を、またいでやってくる前は、真っ赤な中折れ帽は、かぶっていないのだから。

 「おひさん」を見た目で判断しちゃいけない。
 きっと「おひさん」は、かなり細やかな気遣いをすることのできる紳士だ。

 そんな紳士だからこそ、
 天上で輝くことができるのかもしれない。

 そして……

 村の人たちは、「おひさん」のささやかな望みを、叶えてあげようと思ったのかもしれない。

 「おひさん」のささやかな望みというのは、とっても人間的なものだ。

 そのなんでもない人間的なことを、
 天上で輝く「おひさん」がやることによって……

 そのささやかなことが、とてつもなく大切なものに思えてくる。

 あ〜、なんだか胸の奥があったかくなってきた!

 

題名:おひさん

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