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絵本

 題名 たこのぼうやがついてきた
  ダン・ヤッカリーノ
  きやま かすみ
 発行 小峰書店 / 1999年5月
 サイズ 28 x 22cm ・ 32ページ
 この絵本のタイトルは、何回見直してみても「たこのぼうやがついてきた」です。

 でも何回読み直してみても……
 こりゃ 「たこのぼうやをつれてきた」 だろうと思うのです!

 動物の大好きな女の子が、自分の数倍も大きな「たこのぼうや」と一緒に家に帰ってきます。
 そして父親に、「かってもいい? ねえ いいでしょう」と許可を求めます。
 でも、すでに家の中は、女の子と一緒にやってきた動物たちで埋め尽くされているのです。

 「たこのぼうやがついてきた」というタイトルが付いているので、動物たちは、それぞれの意志で女の子の家にやって来たと思ってしまいそうです。

 けれども、「たこ」と手をつないでいる女の子は、どう見ても「たこ」を引っ張っているようにしか見えません。
 表紙を開いた後の扉に描かれている絵なんて、女の子が、無理やりに海から「たこ」を引っ張り上げているようです。
 それに家の中にいる動物たちの顔も、見ようによっては困っているように見えるのです。
 プールの中から顔を出している「あざらし」だって、なんだか複雑な表情をしています。

 でも、女の子が動物たちを愛する気持ちにウソはないようです。

 女の子は、父親から「たこのぼうやを かえしておいで」と言われます。
 すると、小さな体で大きな「たこ」を守るようにして立ちはだかり、かわいい顔をして父親をキキキッとにらみつけちゃうのです。
 それに、女の子と別れなければならなくなった「たこ」は、さよならの時に、女の子の気持ちを察してか、涙を流すのですから。

 この絵本の文章は、動物のだ〜い好きな女の子とその父親の言葉だけで構成されています。
 ということは、タイトルだって女の子か父親の言葉かもしれません。

 表紙は、女の子と「たこ」が手をつないで歩いているところですから、「たこのぼうやがついてきた」は、女の子の言葉に違いありません。

 そうするとです。
 「たこのぼうやがついてきた」というのは、女の子が、父親に「たこ」をかうことを許してもらうために考えた言い訳の言葉に違いありません。

 きっと女の子は……
 「たこのぼうやがついてきた、たこのぼうやがついてきた」
 とつぶやきながら「たこ」を引っ張って家に帰って来たのです。

 みなさんは、どう思いますか?
 絵本を見て確かめてみてくださいね。

 

題名:たこのぼうやがついてきた

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