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絵本

 題名 ぼくのこえがきこえますか
 (日・中・韓平和絵本)
  田島 征三
 発行 ポプラ社 / 2011年8月
 サイズ 23 x 23cm・32ページ



 圧倒的な力……


 表紙は、まだ落ち着いて眺めていた。

 見返しと扉で体の中がざわめき始める。

 扉をめくり、いっきに緊張が高まる。

 その後、息をつくことができないくらいの緊張を保ったまま、裏表紙にたどり着いた。


 絵本に限らず表現されたものに対した時は、世間の評判などに左右されることなく、自分の感受性や想像力を総動員させて、その作品を体の中に迎え入れようと思っている。

 それが鑑賞するということであり、読み取るということだと思うからだ。

 しかしごくまれに、想像を巡らしたりする前に、作品の力に圧倒されて打ちのめされてしまうことがある。

 ボクサーが、試合開始のゴングが鳴ったのかどうかも分からぬ内に、カウンターをもらってノックダウンをしてしまったようなものだ。

 そんな時、マットに顔をうずめたような状態で、

 「あ〜、いいな……!」

 などということを、アホみたいな顔をして呟いてしまう。

 この絵本もそうだった。


 ただし、このように打ちのめされた時は、ノックダウンしただけでは終わらない。
 体の中に、刻み付けられるものがあるからだ。

 しばらくして、気持ちを立て直しながら思う……

 「戦争は……いけない……!」

 これだけでいい。


 それにしても……絵の迫力に感動!

 そんな絵を、文章が美しいメロディを奏でるように、静かに支えている。
 しかしこの文章も、静かだからこそ、絵と相まって読者に迫ってくるようになっている。

 

題名:ぼくのこえがきこえますか

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