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絵本の読み聞かせ よみっこ

 の「よみっこ三角形」
   気持ちってあいまいだな〜

 これまでに、読み聞かせをする時は、聞き手に寄り添い、本に対する感情を大切にするということを何度も書きました。
 二つとも気持ちの問題です。
 これに対して、「気持ちといったって、あいまいだな〜」とか「具体的な技術、例えば間のとり方、息継ぎの仕方、発声の仕方、目線の配り方、絵本の持ち方、ページのめくり方といったことの方が大切じゃないかな〜」と、思っている人もいるのではないでしょうか。
 けれども、これらの技術の土台となる部分に、聞き手に寄り添い、本に対する感情を大切にするという気持ちが備わっていることが必要だと思います。
 そうでなければ、技術は、何の効果もない見せかけになってしまう可能性があります。
   ●  気持ちと「間」の関係

 例えば、間のとり方として、「この場面転換の部分で、1秒の間をとることにしよう」と決めて読んだ時の間と、「この場面転換の部分を続けて読んでしまったら、どうしても気持ちがすっきりしないので、自分の気持ちの場面転換をしっかりとして、そして聞き手の雰囲気を見て、次の場面につなげよう」と思って読んだ時の間は違います。
 1秒の間というのは、いつでも1秒ですが、後者の方は、自分の気持ちと、その場の雰囲気によって長さは変わってきます。なによりも、聞き手の受け取る印象が違うはずです。

 1秒という部分は、一呼吸であっても一拍であっても、そこに気持ちがなければ同じことです。やはり、気持ちが一番大切です。
 そして、その気持ちが、少しでも具体的になればいいなと思って考えたのが、「よみっこ三角形」なのです。
   ●  よみっこ三角形」をイメージする

 読み聞かせをしている時、読み手の気持ちは、どこに向いているのでしょうか。
 もちろんそれは、聞き手と本です。
 この聞き手と本に、読み手を加えて線でつなぐと三角形になります。これが「よみっこ三角形」です。

 ボランティアの読み聞かせの現場で、一生懸命に「聞き手に寄り添い、本に対する感情を大切にしよう」と思っていたりすると、逆に言葉に気をとられて、気持ちが聞き手と本から離れてしまいかねません。
 そこで、「よみっこ三角形」です。
 現場では、言葉ではなくて、この三角形をイメージするようにすればいいのです。
   ●  見えない「よみっこ三角形」

 すてきな読み聞かせを、聞き手として見ている時は、きれいな「よみっこ三角形」を見ることができます。
 けれども、このきれいな三角形は、自分が読み手になっている時には見ることができません。

 読み手になっている時に、いい感じで読み聞かせが進行して、その場がいい雰囲気になっていれば、気持ちは、しっかりと聞き手と本に向かっているということです。ですから、三角形を意識して気を散らすことはありませんし、意識する必要もありません。

 自分が読み手になっている時に、じわっと見えるのは、崩れた「よみっこ三角形」だけです。一辺が、薄くなっていたり、消えていたり、一辺と一辺が離れていて、あらぬ方に向いていたりする三角形です。
   ●  一生懸命に遊ぶ

 「よみっこ三角形」は、関係とか係わり合いといったことで、作られるものです。
 よみっこの会場で、読み手と聞き手が出会って、絵本や紙芝居を遊び道具として使って、どれだけ楽しい時間を過ごせるか。どれだけいい雰囲気の場を作り出すことができるかということです。
 それは、表面的な技術だけでは、絶対にできないことです。

 読み聞かせは、一方的に与えるのではなくて、人と人が出会って係わるということだと思っています。だから、本を使って、一生懸命に遊ぶことをしなくちゃいけないし、本を介して楽しく遊ぶためには、「聞き手に寄り添い、本に対する感情を大切にする」ということが大切なのです。
 子どものころは、本当に一生懸命に遊んでいました。楽しく遊ぶためには、相手を思いやるといった暗黙のルールなども、けっこうありました。
 よみっこは、そんな子どものころの遊びの延長だと考えています。

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